ピカチュウ

ピカチュウの10万ボルトって、大したことないよね?

ピカチュウと僕

世界で愛されているポケットモンスター、通称ポケモン。

先日、息子を連れてポケモンショーをみたのですが、少々大人は退屈…。

喜んでいる息子を見ているのは楽しかったのですが、手持無沙汰。

 

そんなとき、ふと物理教師としての血が騒ぎます。

ポケモン、めっちゃ突っ込みどころ満載やん!

本日はそんなお話です。

 

ピカチュウの10万ボルトって大したこと無いのでは?

 

ピカチュウの攻撃範囲

ご存知の通り、ポケットモンスターに登場するピカチュウの必殺技といえば、10万ボルト

ピカーっと言いながら、モンスターに電撃を放ちます。

 

実はこの攻撃、そんなに大したないんです。

射程距離が短すぎます。

 

10万ボルト自体は、変電所の取り扱う電圧並みに高電圧なのは確かです。

関西電気保安協会 HPより

とは言え、ピカチュウの10万ボルトという攻撃は、離れた相手に電撃を与える技。

空気を無視した(仮に真空中だ)としても、放電にはより高電圧が必要です。

空気中の放電の場合、およそ1センチ(0.01m)の空間に放電するためには、3万ボルトの高電圧が必要と言われています。

 

ということは、10万ボルトでは射程距離が3cm程度・・・という結果に。

 

冬場の静電気ですら、3千ボルト!

冬場の静電気は3〜5千ボルトです。

ドアノブ等の金属と自身の体の距離はせいぜい数mmなので、やはり上で説明したとおり、1センチ3万ボルトというのはさほどかけ離れた値ではないようです。

ってことはやはり、ピカチュウの10万ボルトはせいぜい静電気の3倍程度しかありません。

 

雷はなんと数億ボルト!!

 

雷

身近なところで電撃といえば、雷もイメージするかもしれませんね。

雷はなんと、5億〜数十億ボルトと言われています。

これよりピカチュウの10万ボルトは一旦おいといて、少し雷について掘り下げます。

 

雨雲(雷雲)は、大体上空1,000メートルから10,000メートルに存在しています。

仮に単純計算してみると、500,000,000(V)÷1,000(m)= 500,000(V/m)。

1メートルあたり大体50万ボルトということがわかります。

 

雷の放電だと、1cmあたり5,000V程度になるんだね。

雷の場合は、雨が降り注ぐことによって電流が流れやすくなったり、気圧や高度の関係(気圧が低くなるほど低い電圧で放電できる)、その他もろもろの条件(イオン化など)によって、大きく異なるのかも知れませんね。

 

ピカチュウに同行しているサトシが心配

ピカチュウと僕

射程距離が5cmあるかないか、そもそも静電気レベルの可能性もありえる10万ボルトという攻撃。

 

今度はピカチュウと同行(逆かw)している、主人公のサトシが心配になってきました。

というのも、彼自身の方が物理学的には非常に興味深いのです。

 

サトシは、静電気除去グッズを携帯していることでしょう

ピカチュウの攻撃範囲

さっき説明したとおり(条件によって異なりますが)、およそ1cmの空間を放電するのに必要な電圧は3万ボルトです。

ということは単純計算して10万ボルトは、せいぜい3センチほどしか届きません。

しかし、モンスター同士の対決はどう見ても1m以上は離れています。

 

ピカチュウが「ピカーっ」といって電撃を放つと、最も近くにいるであろうサトシに危険が及びます

 

とはいえ、10万ボルトは静電気のちょっとすごいくらいの威力。

確かに静電気は痛いし嫌いだけど、そんな声を荒げてまで逃げるほどではないということになります。

 

それじゃ、10万ボルトを浴びても死なないの?
生死に関わるのは、体内に流れる電流量で決まります。

 

人体に及ぼす電流の大きさってどのくらい?
5mA(1Aの200分の1)が体内に流れば相当な痛みを感じますし、50mA(1Aの20分の1)で命の危険すら出てきます。

 

誤解されやすいですが、高電圧だから危険なのではなくて、体内に高電流が流れる(可能性が非常に高い)から危険なのです。

学生の頃理科や物理でよく電流量として1A(1アンペア)を基本単位として使ってきたと思いますが、1Aは非常に大きい電流の大きさになります。

 

人間の皮膚は乾燥していれば3,000Ωと同等の抵抗があると言われていますが、濡れていると10分の1以下に下がるので、その状態で100V(家庭用電圧)に触れれば、単純計算で約0.3A(300mA)の電流が体内に流れることになり、非常に危険です。

高電圧10万ボルトを直に受ければ、たしかに即死レベル。

しかしピカチュウの攻撃は空気中の放電なので、触れるときにはかなり電圧が下がっていますし、静電気でも発生しうる電圧なので逃げるまでもない。

 

もしくらったとしても、体内に流れる電流なんてたかが知れています。

 

現実的にピカチュウがモンスターと戦う場合、サトシが気をつけるべきことは

  • あ、今日静電気除去アイテム持ってきたかな?
  • あ、今濡れていないかな?

この2点でしょう。

 

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ってか、そもそもの話。

ピカチュウの射程範囲が3cmしかない・・・・・・・10万ボルトの攻撃は、一人ピカピカしているだけということになりかねませんね。

 

サトシは強靭な腰の持ち主

電撃の不安が付きまとうサトシですが、彼は見た目に反してとてつもなく強靭な筋力を持っています。

物理的にはこっちの方が興味深い。

 

どのような理屈でモンスターボールにモンスターが入って入るかはわかりませんが、中には明らかに重そうなモンスターが入っています。

モンスターボール
©2017 Pokémon. ©1995-2017 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

 

姿形が変わったとしても、重さは変わらないです。

これを物理の法則で、「質量保存の法則」といいます。

仮に粘土で作った恐竜をボールの形に変形させたとしても、同じ量の粘土で作られていますから重さは変わらないということです。

 

サトシはモンスターボールと呼ばれるボールにいれて、モンスターを達を持ち運びますよね?

質量保存の法則の観点から、ボールは数トンという重さになっていると予想されますが、サトシは一切きつい様子を見せること無く、冒険を続けています。

 

やはり、ポケモンマスターを目指す人は、その筋力から違うのでしょう。

 

そういえば息子と見たポケモンショーでも、サトシはキレッキレのダンスを披露していました。やはり日々の鍛錬の賜ですね。
多分、違うぞ。

 

少なくともサトシの腰は、数トンという重さに耐えうる腰だということになりますね。

そんな強靭な足腰をもつサトシは、走っても飛んでも凄い。

サトシの運動神経

 

ピカチュウの10万ボルトの謎とサトシのすごさについて

ピカチュウと僕

ピカチュウの攻撃10万ボルトは

  • 射程範囲はせいぜい3cm程度
  • 静電気でも発生しうるレベルの電圧
  • サトシが「バチッ」とこないか(静電気をうけないか)心配
  • サトシの腰の筋力は尋常じゃ無い

こんな事がわかりました。

 

子どもが楽しんでるポケモンショーをみながら、そんなこと考えていたのか。 
まぁ子どもはポケモンショーを堪能してくれていたので問題ないでしょう(多分)。

 

 

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