さぁ本日は、2017年11月に不名誉な形でいろいろと話題になってしまった「るろうに剣心」。
この作品に出てくる必殺技、二重の極みの謎について迫ってみようと思います。
二重の極みって、本当に出来るの?
一度は真似したであろう、二重の極み。
ここでは「二重の極みが本当に意味ある攻撃なのか? 実現するにはどうしたら良いのか?」ということに絞って、お話ししていきます。
二重の極みとは?
改めて説明するまでもないかもしれませんが、二重の極みの要点を整理しようと思います。
二重の極みとは、悠久山安慈という破戒僧が繰り出す、拳を使った必殺技のこと。
その後、主人公である緋村剣心の相棒相楽左之助も(厳しい修行の末)習得することに成功しています。
そんな二重の極みですが、仕組みについては考案者である悠久山安慈が説明しています。
ポイントを整理すると、以下の通り。
- 全ての物質には抵抗が存在し、衝撃が完全に伝わらない。
- 衝撃を効率よく伝えるために、2段階に分ける。
- 拳の場合、拳を立てて(指の第1関節~第2関節あたりが物質に触れるように)1発。
- 1発目に対する物質の抵抗が発生した瞬間に、2発目(いわゆる拳による打撃、第2関節から指の付け根が接触面となるようなパンチ)をはなつ。
- 2発目の衝撃は、抵抗を発生させず全ての衝撃が物質に伝わる。
という代物らしい。
・・・。
・・・はい(;´Д`)?
頻出している、物質の抵抗って何ぞや?
二重の極みを理解するには、物質の抵抗を知る必要があるようだ
以前「マッハパンチとは?」の記事で、凄まじいパンチを繰り出すキャラクター達について紹介しました。
漫画の世界にはいろんな設定のキャラクターがいて、面白いですね。
先ほど紹介した、二重の極みのポイント。
物理学的に(私なりに)考えると、様々な疑問が見えてきます。
- 全ての物質に抵抗がある・・・って何? 電気の話?
- 1段階目の衝撃は物質の抵抗なるもので相殺されるが、2発目はすり抜ける(発生しない)ってこと?
- だから抵抗って、なんなのさ。
っていう疑問の数々。
こりゃ(安慈がいうところの)物質の抵抗ってのが判明しないことには、二重の極みが本当にできるかどうか分からなそうです。
物体に力が加わると、かならず反作用がある。
中学校や高校で習ったかも知れませんが、(基本的に)物体にはたらく力と運動には
- 慣性の法則
(力がはたらかなければ、現状維持) - 運動の法則
(力が加わると、加速度が発生) - 作用反作用の法則
(力を作用すると、必ず反作用が発生)
この全てが、成り立ちます。
二重の極みは、2物体間(拳と石)の力と運動に関する内容だ、と考えると作用反作用の法則から掘り下げていけば、何か分かるかもしれません。
ちなみに、この作用反作用が理解できると
- 歩いたり走ったりできるのは、地面を蹴り出した力の反作用が自分に加わるため。
(蹴った地面が、自分を押し返している) - ロケットが何もない宇宙空間を進めるのは、燃料を(燃焼させて)勢いよく捨てるため。
(捨てた際の反作用でロケットが進む)
なんかも、理解できます。
力を加えた相手から、自分に対して同時に力が作用される。
ひょっとすると(安慈がいう)物質の抵抗というのは、反作用の力のことを言っている可能性がありますね。
物質の抵抗が反作用の力であるならば、2段階に分けたところで無意味
反作用の力というのは、瞬時に同じ大きさ・逆向きで発生します。
そして、いつでも・何度でも必ず発生します。
要は、二重の極みが単なる多段攻撃である以上、何度でも反作用は受けます。
現実的には、力を加えた物体(石や敵など)の
- 脆性
(もろさ、壊れてしまったら反作用は生じない) - 展性・延性
(伸びたり広がったりする性質のこと) - 弾性衝突
(跳ね返る性質)
なんかも、考えなくてはいけません。
何れにしても、物体に力を加えると何度でも物体から反作用の力を受けることに違いはないので、拳を2段階でヒットさせようが毎回反作用の力(=安慈がいう物質の抵抗)が発生することになります。
言い換えれば、1回で打つエネルギー量が同じなら2回に分けて打っても同じ、ということです。
やっぱり悠久山安慈がいう「抵抗を受けること無く(拳の威力が)完全に伝わり…。」という原理が、よく分かりませんね。
摩擦によるエネルギーロスを言っているなら、なおのこと1撃で仕留めるべし
- 完全に伝わりきらない
- 無駄な衝撃が出来てしまう
これが悠久山安慈の伝えた言葉です。
ひょっとすると、無駄を省いたり効率よくすることに二重の極みの極意があるならば、衝突により発生する摩擦によるエネルギーロスを少なくするって意味があるのかもしれませんね。
でも、でもなんですよ。
摩擦によるエネルギーロスのことだとしても、やはり1撃でガツンとパンチした方がエネルギーロスが少なくて済みます。
なぜなら接触回数が増えることによって、摩擦を受ける回数が増えるから。
例えば、1撃目で物体の表層をはがす。
(安慈の言葉を借りるなら、抵抗が減った状態にする。)
その状態で、すかさず2撃目を加える。
これならば
- 石と拳の間に存在している空気の量が減少する。
(空気との摩擦が減る) - でこぼこした石の表面が凹凸のない表面になることで、接触面積が減少する。
(接地面との摩擦が減る)
こんな風に、摩擦が少なくなることは考えられるかもしれません。
摩擦によるエネルギーロスを無くしたいのであれば、力を2つに分けるのではなく、最初から本気の1撃をかました方がいいでしょうね。
二重の極みの1撃目は、くさびと同じ?
うーん、どうも二重の極みの強さが分からない。
「石の抵抗とぶつかった瞬間に、拳を折って第二撃を入れる。」って言われてもなぁ・・・。
ん? ぶつかった瞬間に第二撃を入れる?
おぉ、そうか。
そう言われてみると(確かに説明の描写も)
V字に打ち込んでる!!
・・・ように、見えなくもない。
第一撃(指の先端)をくさびとして利用し、それを押し込むイメージ。
なるほどな。
くさびを使えば、同じ力でもダイレクトに力が伝わるもんなー。
二重の極みは共振現象?
他になにか可能性ないかなぁ、と思ってネットを漁ってみました。
すると、面白い仮説がありました。
物体の共振周波数に合わせて衝撃を加えることで、
小さな力でも大きな影響を与えることは可能なんですが。。。。。。例えば、声でグラスを割るとか。軍隊が橋を更新したら橋が落ちたとか。
共振周波数に同調させて何度も繰り返し力を与えて振幅を徐々に増やしていけば、、、、、ただねぇ、かたい個体だと共振周波数ものすごく高いし。
それに、衝撃加えるのは2回でしょぉ。
なんかグレードアップして三重の極みになったような気もするけど、それでも3回でしょぉ。・・・・・・・ イミネー。
引用 Yahoo!知恵袋
要は、拳で作る振動数と石の壊れるために必要な固有の振動数とが一致すれば、破壊が可能じゃね? というもの。
でも拳で作り出せる振動数なんて、たかがしれています。
それこそ記事冒頭で紹介した過去記事(マッハパンチの記事)に登場するキャラたちくらい、パンチのスピードが十分にあれば共振を考えて良いんだろうけど。
2発打ち込む程度じゃ、振動数は小さすぎて石は破壊できないでしょう。
るろうに剣心に出てくる二重の極みに関する考察、まとめ
あくまで効果があるという意味での二重の極みは、いかに一撃目をくさびのように打ち込めるかどうか。
そこにかかっているように思います。
間違っても、抵抗(反作用)が1回で終わるって事はないので、練習されるときはご注意下さい。
二重の極みを語る上で大事なのは、反作用の存在です。
パンチを打てば必ず反作用を受けます。0になる事はありません。
進撃の巨人で主人公エレンが巨人となり、相手を殴った時(に自身の腕が破壊された現象)も同様です。
2017年9月よりジャンプスクエアにて「北海道編」が連載されている、漫画るろうに剣心。
志々雄一派解体後に出頭し、懲役25年の実刑を受け地元北海道に収監された、悠久山安慈。
新章の舞台が北海道なので、再び二重の極みが見られるかもしれませんね。
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実写でも、悠久山安慈は登場しています。
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本記事が漫画や映画を楽しむ一助になっていれば、幸いです。