サンマルクが閉店ラッシュしているのはなぜ?業績回復している理由も 

サンマルクカフェは店舗数を大きく減らした時期があり、いつも通っていた店舗が急に閉店してしまって恋しくなったユーザーも多いのではないでしょうか。また各地でサンマルクが閉店ラッシュしているという噂を見聞きし、「近所の店もなくなるのでは」と不安に感じる人もいるでしょう。

そこでこの記事ではなぜ閉店ラッシュしているのか、業績が回復しているという話も深堀して行きたいと思います。

サンマルクが閉店ラッシュは本当?

サンマルクカフェの店舗数が大幅に減ったのは、コロナ禍だけが原因ではありません。出店拡大を優先してきた時期の課題が表面化し、採算性を重視した出店・閉店へと方針を変えたことが大きな要因です。詳しくみてみましょう。

最盛期から約3割の店舗を削減

サンマルクカフェは2018年12月時点で407店舗を展開していましたが、2025年3月期には285店舗まで縮小しました。数字だけを見ると「閉店ラッシュ」と受け取られやすいものの、すべての店舗が突然不振に陥ったわけではありません。

同社は不採算店舗の整理を進め、利益を出せる店舗運営に立て直すためのスクラップを実施してきました。とくに、出店数を増やすことを優先していた過去の方針を見直し、立地や投資効率を改めて精査したとされています。

商業施設への出店偏重

閉店が増えた背景の一つは、ショッピングセンターや駅ビルなど、商業施設内のテナントに出店が偏っていたことです。施設全体の集客力に売上が左右されやすく、テナントの営業時間や販促施策にも影響を受けます。

サンマルクカフェは、路面店に比べて商業施設内の店舗が多い構成でした。コロナ禍では外出自粛や施設の営業時間短縮が起こり、来館者数が減少したことで、こうした立地の店舗に大きな負担がかかったと考えられます。

また、施設内では契約更新や賃料条件の変化により、店舗側だけで運営を調整しにくい場合もあります。売上や将来性を踏まえ、採算が合わない店舗から撤退する判断につながったのでしょう。

コロナ禍で人流が大きく変化

コロナ禍による人流の急減も、閉店を加速させた要因です。カフェは通勤・通学、買い物、休憩など、日常的な外出に支えられる業態です。そのため、在宅勤務の拡大や外出機会の減少は、来店客数に直接影響しやすい状況でした。

とくに駅前や商業施設内のカフェは、利用客の生活動線が変わると売上が下がりやすい特徴があります。コロナ禍以前から抱えていた出店戦略の課題に、人流減少が重なったことで、店舗の選別を急ぐ必要が生じたといえます。

店舗数優先の出店を見直した

サンマルクカフェの小山典孝社長は、過去に店舗数を優先し、過度な出店が経営を圧迫していた趣旨を語っています。店舗が増えればブランドの認知度は高まる一方、立地の見極めが甘ければ、賃料・人件費・設備投資を回収しづらくなります。

そのため、閉店は単に事業を縮小するためではなく、収益性を高めるための整理という面があります。不採算店舗を抱え続けるよりも、強みを発揮できる場所に経営資源を集中させる方が、長期的にはブランドの維持・成長につながる可能性があります。

サンマルクの業績がV字回復!

店舗数の減少に対し、サンマルクホールディングスの連結業績は改善しています。2026年3月期は、売上高884億3,200万円で前期比24.7%増、営業利益51億4,900万円で同41.3%増、経常利益50億5,800万円で同31.8%増となりました。

不採算店の整理で収益性を改善

閉店によって店舗数が減ると、売上規模が縮小する印象を持つかもしれません。しかし、不採算店を整理することで、赤字店舗の固定費や運営負担を抑えられます。残した店舗の売上改善、原価管理、人員配置の適正化などが進めば、利益面の回復につながります。

サンマルクカフェは、不採算店舗のスクラップを終え、再び成長段階に入ったと説明しています。閉店ラッシュは苦しい局面でもありましたが、事業の土台を立て直すプロセスでもあったといえるでしょう。

カフェ以外の業態が成長

サンマルクホールディングスは、サンマルクカフェだけを展開している企業ではありません。鎌倉パスタなどのレストラン業態に加え、牛カツ京都勝牛や牛かつもと村といった牛カツ業態もグループの成長に寄与しています。

したがって、「サンマルクカフェの店舗が減ったのに、なぜ業績が回復したのか」という疑問には、グループ全体で複数の業態を展開している点が答えになります。カフェ事業の再構築と、成長性のある外食業態の拡大を同時に進めたことが、業績を支えたと考えられます。

新しい路面店戦略を開始

サンマルクカフェは、今後の出店で路面店を強化する方針です。2026年3月時点で285店舗だった体制を、2029年度までに370店舗へ増やす目標を公表しています。sankei+1

従来の商業施設中心の構成を見直し、東名阪や政令指定都市を中心に、街なかで利用しやすい路面店の出店・改装を進める計画です。2029年度に370店舗となる段階では、路面店の比率を全体の4割程度まで高める方針も示されています。

新業態で差別化を図る

2026年には「サンマルクカフェ&茶」を展開し、アジアのお茶メニューを取り入れた新しい店舗づくりも始めています。注文を受けてからフードを調理・仕上げる「FFH(Fresh Fast Handmade)」という考え方を取り入れ、従来のカフェ利用に加え、食事需要にも応える狙いです。

価格だけで競争するのではなく、焼きたて商品やできたてのフード、落ち着いて過ごせる空間を強みにすることで、競合チェーンとの差別化を目指しています。閉店で得た立地や運営の課題を、新たな出店戦略に生かそうとしている点が注目されます。

今後も閉店が続く可能性は?

今後もすべての店舗が存続するとは限りません。飲食店は賃料、人件費、周辺の人流、商業施設の改装など、多くの条件によって出退店が決まるためです。

ただし、現時点のサンマルクカフェは、一律に店舗を減らす段階から、採算を重視して再出店する段階へ移行しつつあります。2026年度には新規出店5店舗、改装・転換25店舗を計画しており、閉店のみを進める戦略でないようです。

まとめ

サンマルクカフェの閉店ラッシュは、過去の出店拡大、商業施設への偏り、コロナ禍による人流減少、不採算店の整理が重なって起こったものです。最盛期から店舗数は大きく減りましたが、収益性を重視した再構築の側面もありました。

一方、サンマルクホールディングス全体では、カフェ以外の業態の成長や店舗運営の改善によって業績が回復しています。今後は路面店の強化や「サンマルクカフェ&茶」などの新業態を通じ、2029年度までに370店舗体制を目指すそうです。チョコクロのように新しい業態でカフェの目玉となるような和スイーツが発売されることを楽しみに、今後のサンマルクホールディングスを応援しましょう。