誰もが聞いたことがある曲、「アルプス一万尺」。歌ったことがある人も多いと思いますが、歌詞って具体的に覚えていますか?
今回はアルプス一万尺の歌詞の意味について調査しました。
アルプス一万尺の歌詞は?
アルプス一万尺の歌詞は「アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さぁ 踊りましょ」ですよね。「小槍の上」の部分が「子ヤギの上」に聞こえて、「どうして小さいヤギの上で踊るの!?」なんて風に、怖いと思ったことがある人もいるでしょう。ただ実際は「こやりのうえ」、アルプス一万尺 の歌詞 はそう怖いものではありません。
ただ、小槍だったら小槍だったで、槍の上で踊るというのもよく分かりませんね。考えようによっちゃ、これでも十分怖い気も……。おまけに、そもそも「アルプス一万尺」というフレーズもよく分かりません。一体どんな意味が込められているのでしょうか。
アルプス一万尺は登山にまつわる歌
元々この曲は日本の曲ではありません。原曲については後でまた説明しますが、アルプス一万尺の日本語の歌詞は原曲の歌詞を訳したものではなく、ボーイスカウトの教育用の歌が登山家の替え歌として広まったのがルーツだと言われています。そのため、アルプス一万尺の歌詞は登山にまつわる歌詞になっているのです。
「アルプス一万尺」という歌詞は、日本アルプスの高さが一万尺であることに因んだもので、「小槍」は槍ヶ丘の山頂付近にある岩を指します。「山を登って山頂の岩の上で楽しく踊ろう!」といった内容であることが分かりますね。
アルプス一万尺は29番まである?
実はアルプス一万尺には歌詞が29番まであるのだとか!作詞者がはっきりしておらず、歌詞にも様々な説があったりするのですが、29番までの説ではやはり「一万尺に テントを張れば 星のランプに 手が届く」など山に関連した歌詞が中心になっています。中には「蝶々でさえも 二匹でいるのに なぜに僕だけ 一人ぽち」「山のこだまは 帰ってくるけど 僕のラブレター 帰ってこない」など、少し切ない恋模様を思わせる歌詞もあります。
【参考:アウトドアカルチャーのニュースサイト】
アルプス一万尺の原曲は?
アルプス一万尺は、元々はアメリカの民謡であり独立戦争時の愛国歌でもあるんです。歌のタイトルは「ヤンキードゥードゥル」。「ヤンキー」はイギリス軍が植民地アメリカの軍隊を指して使った言葉であり、「ドゥードゥル」は「まぬけ」といったような意味合いなんですって。
1775年のロンドンでは、この歌が「フレンチ・インディアン戦争中のアメリカ人が臆病者のくせに山師である」というニュアンスの侮蔑的な歌として紹介されていたそうです。こういった背景から、イギリス人が歌っているのを聞くなどしてアメリカ人にも広まっていったということなのでしょう。
ヤンキードゥードゥルの歌詞は?
ヤンキードゥードゥルの歌詞は「マヌケなヤンキーが子馬に乗って町へ行った 帽子にハネを一本さすだけでイタリア仕込の洒落男気取り」「ヤンキードゥードゥルその調子 ヤンキードゥードゥルイカしてるね 音楽にあわせてステップ踏めれば女の子たちだってイチコロだ」といった感じだったようです。イギリス人がアメリカ人を馬鹿にするような感じで歌っていたのでしょう。
アメリカでも替え歌として流行
ところがどっこい、馬鹿にされる対象だった植民地の住民達は、ご陽気なこの歌を気に入ったようで、アメリカ独立戦争が始まると反英的な替え歌でこの歌を歌ったそうです。替え歌のパターンは無数に生まれ、遂には独立戦争の愛国歌となったのですね。ちなみに、替え歌の内容は上官をこきおろすものもあり、総司令官だったジョージ・ワシントンさえもひどく言われていたそうです。
最後に
今回は、アルプス一万尺の歌詞や原曲について紹介しました。「子ヤギの上」と歌うのは間違いだなんて言われがちですが、元々替え歌としてどんどん広まった曲だというのであれば子ヤギと歌うのも間違いではないような気がしませんか?それとこれとは別問題なのでしょうか。